経営者が知っておきたい資金繰りの基礎知識

このコラムでは、経営者が知っておきたい資金繰りの基礎知識についてお伝えします。

目次

資金繰りとは?

資金繰りとは、会社の資金が不足しないように、お金の出入りを管理してやり繰りすることです。
資金繰りの「資金」とは、現金や普通預金、当座預金など、会社がすぐに使えるお金を指します。

なお、定期預金や貸付金、売掛金、商品在庫や不動産などは、すぐには換金できません。このため、これらは資金ではなく「資産」と言います。

なぜ資金繰りが必要なの?

それは、「お金が足りない」状況になることを防ぐためです。

例えば居酒屋の場合、代金を現金で支払うお客様もいれば、電子マネーやクレジットカードで支払うお客様もいます。
現金は受け取ればすぐにお店の「資金」になりますが、電子マネー等では入金が1~2カ月先になることがあります。
この場合には、入金されるまでは「売上はあっても資金がない」状態になります。

一方で、お店では仕入れた食材、従業員給与、家賃の支払いや、借入金の返済をしなければいけません。
資金繰りが把握できていないと、万一の場合にはこれらの支払いが滞ってしまいます。そうなると仕入先の信用を失ったり、従業員が退職したりして、最悪の場合には閉店の危機に陥る可能性もあります。

このような状況にならないために、資金の状況を把握し、将来の資金の出入りを予想して、資金不足にならないようにすることが重要です。

資金繰りが悪化する原因

資金繰りが悪化する原因には、主に次のようなものがあります。

  1. 資金の回収期間と支払期間のバランスの悪化
  2. 売上の減少
  3. 借入金返済の負担増加
  4. 過剰在庫
  5. 不要な投資
  6. 資金繰りに対する意識の薄さ

先ほどと同様に居酒屋を例に挙げて、順番に説明していきます。

資金の回収期間と支払期間のバランスの悪化

前述のとおり、電子マネー等で支払うお客様が増えると、資金の回収までに時間がかかります。
一方で支払いのタイミングがこれまでと同じであれば、資金の回収期間と支払期間のバランスが崩れるため、資金繰りは悪化します。

売上の減少

食材の仕入代金のように売上の減少に比例して減る費用もありますが、給与や家賃などのように毎月一定額を払う費用もあります。売上よりも費用 の方が多ければ赤字となり、資金繰りは悪化します。

借入金返済の負担増加

金融機関からの借入金を増やすと、金利を含めて返済の負担が増加するため、資金繰りは悪化します。

過剰在庫

「腐らないから」といって大量にお酒を仕入れてしまうと、その代金の支払いで資金が減少します。そして、お酒が売れなければ資金は戻りません。
また、大量のお酒を保管するための倉庫代などが追加で発生する可能性もあります。

不要な投資

設備投資や、資金運用の一環として株式投資などをすると、その分資金が減少します。
投資をする場合には、将来の利益につながるか、適正な規模なのかを十分に検討する必要があります。

資金繰りに対する意識の薄さ

上記のような原因には、資金繰りを意識していれば避けられるものもあります。
資金繰り表を作って将来の資金の出入りを予想すれば、資金繰り悪化の兆候を発見することや、対策を練ることができます。

資金繰り表を作るには

資金繰り表はエクセルで作ることができます。
ここでは、日本政策金融公庫が提供している資金繰り表のフォーマットをご紹介します。URLは下記のとおりです。
作成手順と記載例も掲載されていますので、あわせてご確認ください。

https://www.jfc.go.jp/n/service/dl_kokumin.html

※ 「各種書式」の20番に資金繰り表が、21番に記載例があります。

おわりに

コロナ禍のような先行きが不透明な状況下では、資金繰り表を作成して今後の資金の見通しを立てることが重要です。

経営者が日頃から資金繰りをしっかり管理できていれば、心にも余裕が生まれ、経営判断にもプラスの効果があります。また、金融機関に良い印象を与えることもできます。

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